企業にとってコミュニケーションは、血流のような存在です。社内のコミュニケーションを円滑にすることで、情報共有にかかるコストが下がり、生産性を高めることができます。
特にものづくり企業では、ひとつの部署で完結することはありません。複数の部署で製品や部品の生産に求められる情報を素早く共有することが、生産性の向上につながります。
今回は、素早い情報の提供を実現する代表的な手段としてグループウェアを紹介致します。
グループウェアとは
グループウェアとは、企業内のコミュニケーションをサポートし、業務効率を高めるためのソフトウェアです。
複数のメンバーが、業務やプロジェクトを実行するためには、情報共有が不可欠です。
しかし、関係者が増えるほど、複雑性が生まれ、コミュニケーションの難易度が高くなります。グループウェアは、このような問題を解決する手段として、活用することができます。
代表的なグループウェアは、Googleが提供する「Google Workspace(グーグルワークスペース)」やMicrosoftが提供する「Microsoft 365(マイクロソフト365)」、サイボウズが提供する「サイボウズ Office」などが挙げられます。
それでは、次にグループウェアの代表的な機能についてご説明します。
グループウェアの代表的な機能
グループウェアにはさまざまな機能が含まれています。情報を共有を促進したり、業務を効率化する機能があります。下記、代表的な機能の一覧です。
- スケジュール管理
- 設備・会議室の予約
- プロジェクト管理
- ファイル共有(ドキュメントや画像など)
- タスク管理
- チャット・オンライン会議
グループウェアの導入方法
グループウェアには、データ管理用のサーバーが必要です。利用するサーバーによって、「クラウド型」「オンプレミス型」の2種類に分けられます。
クラウドサーバーを用いる「クラウド型」
「クラウド型」は、クラウドサーバーを用いてインターネット上でデータ管理します。クラウドサーバーは、システムを提供するベンダーが提供するものを用いることが一般的です。契約方式はサブスクリプションとなり、月額や年額のコストが発生します。
メリット
自社サーバーの設置・構築・運用・保守といった手間やコストが発生せず、コストを抑えることができます。
また、社内ネットワークに依存せずに使用することができます。出張などでオフィスにいない社員でも、パソコンやスマートフォンでファイル共有やコミュニケーションが行えます。
デメリット
ベンダーが採用しているクラウドサーバーへの依存度が高く、自社独自のカスタマイズは行いにくくなります。
また、インターネット上でのデータ管理となるため、セキュリティリスクが高くなります。最近のクラウドサーバーは堅牢なセキュリティ対策が施されるようになってきていますが、自社サーバーを用いる場合と比較するとセキュリティリスクは高まります。
自社サーバーを用いる「オンプレミス型」
「オンプレミス型」は、社内やデータセンターの自社専用サーバーでデータ管理します。自社サーバーの設置・構築には、初期費用が発生します。利用開始してからも自社サーバーを運用・保守するために、継続的なコストが発生します。
メリット
サーバーの設置・構築は基本的に自社で対応する必要があるものの、独自のカスタマイズが行いやすく、インターネットに接続できない状況でも利用できることが特徴です。
デメリット
社内ネットワークへの接続が欠かせないため、オフィス内からアクセスしなければ利用が難しくなります。社外で利用するためにはVPN接続などの技術を用いる必要があり、手間やコストがかかります。また自社でセキュリティ対策を行わなければなりません。
現在の主流はクラウド型
最近ではリモートワークが増えており、社外からの情報共有やコミュニケーションが求められる機会が増えています。現在では場所を問わず利用できるクラウド型のグループウェアが主流です。
富士キメラ総研の調査でも、2020年度のグループウェア市場におけるクラウド型(SaaS)のシェアは約93%。多くの企業がクラウド型のグループウェアを選んでいることが分かります。
グループウェア市場規模
2020年度見込 | 前年度比 | 2024年度予測 | 2019年度比 | |
---|---|---|---|---|
パッケージ | 162億円 | 95.3% | 124億円 | 72.9% |
SaaS | 2,080億円 | 114.9% | 3,020億円 | 166.9% |
合計 | 2,242億円 | 113.2% | 3,144億円 | 158.8% |
https://www.fcr.co.jp/pr/20118.htm
まとめ
クラウド型のグループウェアを使用する場合、社内ネットワークに依存せず利用できるため、場所に縛られず様々な働き方に対応することができます。最近増えているリモートワークでもパソコンで業務が行えますし、外出先からパソコンやスマートフォンで情報共有やコミュニケーションが行えます。
工場内で使用する場合、会議室ではなく、各自のデスクからアクセスして、オンラインで打ち合わせを実施することで移動コストを削減されている事例もあります。また移動コスト削減だけではなく、コロナ対策として、対面での打ち合わせを中止し、オンラインで社内外の打ち合わせを実施する事例もあります。
近年は、IoT(Internet of Things)製品が普及してきています。言葉の通り、モノがインターネットにつながる仕様に製品が変化してきています。グループウェアは、IoTシステムと連携して活用することができます。
今既にグループウェアを利用されている方も、導入を検討されている方も改めて工場内のコミュニケーションを見直して、最適な手段を選択されてみてはいかがでしょうか。
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