転職したい方をはじめ、エンジニアとしてキャリアアップを考えている方、年収アップを目指したい方におすすめの分野の一つに組み込み系エンジニアがあります。
組み込み系エンジニアとはどのような業務を行うのか、どうして、これから目指すべきなのか、その将来性やなぜ需要が増えているのかご紹介していきます。
そのうえで、組み込み系エンジニアになるために、どのようなスキルや資格が必要かをご案内しますので、参考にしてください。
組み込み系エンジニアとは
組み込み系エンジニアとは組み込み系のシステムを開発する職種です。
組み込み系には携帯電話やスマホをはじめ、電子レンジや炊飯ジャーなどマイコン制御の生活家電といった家電製品から、モバイルゲーム機や据え置き型のゲーム機器、自動車や航空機などの大型車両、ロボットや産業機器などコンピューターを組み込んだ幅広いアイテムがあります。
いずれも、今の時代や日々の生活に欠かせない機器であり、組み込み系エンジニアの技術レベルの向上が、日本のものづくりのレベルや国際競争力を左右するとも言われているのです。
組み込み系エンジニアの需要が伸びている理由
組み込み系エンジニアが携わる仕事は、コンピューターを内蔵するあらゆる機器です。
コンピューター制御で動く機器は日々増え続けているため、組み込み系エンジニアの需要が伸びています。
かつてはコンピューターが組み込まれていなかった炊飯器やオーブンレンジなども、今では当たり前のようにコンピューター制御で動いています。
さらに、IoTの時代へと突入し、あらゆる機器がコンピューターシステムと繋がって動作するようになっていて、ますます組み込み系エンジニアの技術が求められているのです。
IoTをはじめ、AIの普及や5Gといった高速通信へと変遷し、より高度なIT技術が求められる時代に、組み込みができるエンジニアの存在は欠かせません。
近年、何かとAIという言葉を見聞きするようになりましたが、さまざまな機器に組み込まれるようになってきました。
スマホのセキュリティやカードキーシステム、防犯カメラなどに搭載される顔認証システムをはじめ、自動運転車両の開発など、私たちの生活に身近になってきたシステムも増えています。
AIをはじめ、コンピューターで制御される製品には制御システムやソフトウェアの開発が欠かせません。
この開発や実装を行うのが、組み込み系エンジニアです。
そのため、AIや5G、IoTの登場や需要拡大に伴い、組み込み系エンジニアの需要も拡大しているのです。
一方で、日本では組み込み系エンジニアの技術を持つ人材が不足しており、需要に伴う供給が追い付いていません。
エンジニアという職種なら誰もが対応できるわけではなく、ITエンジニアにも多様な専門職があります。
極限られた技術者に需要が高まっているため、いっそう需要が伸びているように感じられるのです。
IoTがますます求められる時代に
IoTの需要拡大も、組み込み系エンジニアの需要が高まる理由の一つです。
そもそも、IoTとはなんでしょうか。
IoTはInternet of Thingsの略語であり、モノがインターネットと接続されていて、通信ができる仕組みのことです。
家の中の家電製品すべてがインターネットと繋がり、手元のスマホ一つで操作でき、自宅にいなくても遠隔操作ができるなど、より便利になる時代が期待されています。
これまでは、電源を入れ、ボタン操作やダイヤル操作、リモコン操作のみで動いていた家電製品が、インターネットと繋がることでスマホやタブレット、パソコンで自在に操作、活用できるようになります。
家の中にある家電製品や職場にある事務機器などがすべてインターネットを通じて制御できるようになれば、管理もしやすくなり、省エネになるなど無駄もなくせることからも、ニーズが増しているのです。
室内での作業や操作だけでなく、農業などの屋外業務でも導入が進められています。
日本は少子高齢化により、あらゆる業界や業種、職種で人材不足が深刻化しています。
中でも第一次産業である農業は高齢化が進み、後継者不足が深刻です。
そのような中、若手の農業従事者がIoTを導入することで、わずかな人数で多くの農産物の生産ができるようになっています。
中には、たった一人で大きな温室を管理している農家も少なくありません。
温度や湿度管理、水やりなどをAIとIoTを駆使して、コントロールできる環境が整いつつあるためです。
このように、無駄のないスマートな社会、効率的でより利便性に優れた社会を実現していくために、IoTが求められています。
IoTを実現するためには、家電製品の中にマイコンを組み込むことやインターネットと接続できるシステムを入れこむことが必要となり、組み込み系エンジニアの技術が欠かせません。
組み込み系エンジニアに求められるスキル
IT系に詳しくない人の間では、エンジニアというとなんでもできるイメージがありますが、IT業界では使用言語が細かく分かれており、なんでもオールマイティにできる人はなかなか存在しません。
組み込み系エンジニアに求められるスキルとしては、C言語、C++、アセンブリとったプログラム言語を使いこなすことです。
中でも、C言語は汎用性の高い言語であり、しっかり使いこなせるようにしておくことが大切です。
組み込み系エンジニアになるために役立つ資格
組み込み系エンジニアとして仕事をしていくうえで、必ず取得しておかないといけない必須資格はありません。
ですが、就職や転職時に役立つ資格はあります。
中でも取得しておくと能力のアピールがしやすいのがETECです。
ETECとはEmbedded Technology Engineer Certificationの略語で、組込み技術者試験制度のことです。
一般社団法人組込みシステム技術協会が実施している試験で、大きく分けて初級レベルと中級者レベルの判定試験があります。
組込みソフトウェア技術者試験クラス2は初級レベルで、学生さんや経験が浅いエンジニアなどを対象にし、組込みソフトウェア開発に関する一定以上の知識があることの判定が受けられます。
業務上のレベルでいうと、上級者の指導のもとで、組み込みのプログラミング作業を行えるレベルです。
これに対して、組込みソフトウェア技術者試験クラス1は中級技術者として、要求から設計工程、テスト工程における知識と分析能力などの総合力を有していること、現場のリーダとして不可欠な実装力やQCDなどの知識・能力が備わっていると認められるレベルです。
ETEC組込みソフトウェア技術者試験クラス2でスコアが500点以上ないと受験できません。
そのため、まずはETEC組込みソフトウェア技術者試験クラス2から受験しましょう。
まとめ
IT系で働きたい場合、職種としてエンジニア職は代表的ですが、エンジニアの中にもさまざまな職種があります。
今現在をはじめ、これからの時代にも需要が高まる将来性のある職種として、組み込み系エンジニアはおすすめです。
IoTがますます求められる時代に、スキルや経験を活かして活躍することができます。
これから組み込み系エンジニアを目指したい方は、はC言語、C++、アセンブリなどのプログラミング言語をマスターするとともに、ETECといった資格を取得し、スキルがあることをアピールしていきましょう。