2024年10月23日(水)〜25日(金)、愛知県名古屋市の展示場メッセなごやにてFactory Innovation Week2024が開催されました。本展示会は、スマート工場 EXPO、ロボデックス、製造業カーボンニュートラル展、製造業 人手不足対策EXPOの4展により構成され、製造業のトレンドを網羅した一大展となりました。本記事では、展示会の様子や編集部が特に注目する「生産管理ツール」に焦点を当ててレポートします。

[名古屋]Factory Innovation Week2024

名称[名古屋] Factory Innovation Week 2024
会期2024年10月23日(水)~25日(金)10:00~17:00 
会場ポートメッセ なごや
構成展製造の「DX」 を実現する「スマート工場 EXPO」
「自動化」を実現する「ロボデックス」
「脱炭素」を実現する「製造業カーボンニュートラル展」
「人手不足」を対策する「製造業 人手不足対策 EXPO」  
主催RX Japan 株式会社
参加者数3日間総計 27,039名

展示会の様子

Factory Innovation Weekは製造業向けの展示会であり、構成展示会からもわかるように、これからの製造業が時代に合わせて変化することを支援するソリューションが多く展示されていた。IT技術やロボットなどを活用したDXの他、再生可能エネルギーの導入や温室効果ガス排出量の可視化など、テクノロジーを活用したソリューションが多数展示されている。

そのなかでも特に目を引いたのは、「生産管理DX」に関する展示である。様々な課題を解決するソリューションが展示されているなかで、生産管理にアプローチした展示が最も多く見受けられた。そこで本記事では、展示されていたそれぞれの製品を比較し、長所やおすすめの企業を検証する。

尚、Factory Innovation Weekと同時開催されていた、「[名古屋] オートモーティブ ワールド 車の先端技術展」では、最近話題のテスラ社製サイバートラックの展示があり、多くの人が足を止めていた。

展示場入口の様子

©工場経営ニュース

テスラ社のサイバートラック

©工場経営ニュース

2日目の展示場の様子

©工場経営ニュース

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業種・製品に応じて最適な生産管理システム「TECHS」シリーズ|株式会社テクノア

株式会社テクノア 公式サイトより

株式会社テクノアが提供する「TECHS」シリーズは、導入実績4,500社以上を誇る中小中堅企業のための生産管理システムです。3つの提供形態があり、個別受注型の機械・装置業様向けに開発された「TECHS-S」、小規模企業様でも安心して導入できるクラウド対応の「TECHS-S NOA」、多品種少量型の部品加工業様向けに開発された中小企業のための「TECHS-BK」があります。

1994年に中小製造業の業務に特化したパッケージソフトウエアとして発売を開始し、「コストの削減」「利益体質の実現」「経営力の強化」といった製品コンセプトで共感を集めています。日本工業規格(JIS)が定める「生産管理システムの定義」を念頭においた第一義的なサービスを提供しています。

生産管理システムの導入だけではなく、ソリューションを通じて生産管理のノウハウを学び、実践と改善を繰り返すことで売上・利益の向上を目指す企業におすすめです。

AIを活用したクラウド型生産計画DXサービス「最適ワークス」|株式会社スカイディスク

株式会社スカイディスク 公式サイトより

株式会社スカイディスクが提供する「最適ワークス」は、AIを活用したクラウド型生産計画DXサービスです。受注情報(オーダー情報、「製品・個数・納期」)から、生産スケジューラ機能を用いて設備・人員の最適な計画作成ができます。

生産計画を可視化し、計画と現状を見ながら改善することで、実際の製造能力にあった「無理のない計画」を運用することができます。中小・中堅の工場でも、その工場に合わせた最適な計画を作成することができるため、導入実績も多数あります。

生産計画をデジタル化するだけでなく、作られた計画と工場の現状をもとに改善に取り組み業績改善を目指したい企業におすすめです。但し、導入には90万円〜の初期費用と月額15万円の費用が必要になります。

低コストでスモールに始める生産管理クラウド「SmartF」|株式会社ネクスタ

株式会社ネクスタ 公式サイトより

株式会社ネクスタが提供する「SmartF」は、工場に必要な様々な機能を一括して提供しつつ、必要なものを必要なだけ小さく取り組み始めることができる生産管理システムです。生産管理に限らず、受注管理や在庫管理、原価管理、品質管理まで複数の機能を組み合わせることで、幅広く工場内のデジタル化を進めることができます。

また、「SmartF」を基幹システムとして全面的に導入するだけでなく、既存の基幹システムを活用したまま「SmartF」の機能を部分的に連携させたり、「SmartF」の一部機能だけを導入するなど、企業の状態に合わせて柔軟に利用することができます。

クラウド製品のため導入コストも抑えられており、低コストで生産管理システムを導入してみたい企業や、老朽化した基幹システムの置き換えを低コストで検証したい企業におすすめです。また、従業員数が100人未満の企業が導入事例の約50%を占めており、中小企業においても導入・支援実績が豊富です。

ひと・モノ・資源をつなぐ生産スケジューラ「Asprova」|アスプローバ株式会社

アスプローバ株式会社 公式サイトより

アスプローバ株式会社が提供する「Asprova」は、生産計画を自動で立案するソフトウェアです。時間のかかる計画立案作業を自動化でき、ベテラン社員の経験や勘に依存することなく、工程間の過不足のない計画を自動で生成することができます。

また、高効率の生産スケジュールを策定するために、材料や製品の在庫を適切に保ち、需要の変化にも迅速に対応できるようになっています。これは、「ボトルネックとなる資源を必要な時に必要な量だけ使用する効率的な資源活用にある」という考えのもとに設計されており、「ひと・モノ・資源をつなぐ生産スケジューラ」として機能しています。

わかりやすい色使いや多様なグラフによるビジュアルが特徴的で、ITに不慣れでわかりやすさを求める企業におすすめです。また、国内外合わせて3700本以上の導入実績があり、業界トップクラスのシェアを誇るため、サポートの手厚さや信頼性を重視する企業にもおすすめです。但し、導入には初期費用として数百万円規模のまとまった資金が必要です。

数理モデルを活用した量子開発プラットフォーム「JijZept」|株式会社Jij

株式会社Jij JijZeptパンフレットより

株式会社Jijが提供する量子開発プラットフォーム「JijZept」は、様々な課題を数理モデルを用いて最適化して解決しています。企業の特性や要望に応じて独自の数理モデルを設計し、個社ごとにカスタマイズするオンリーワンの生産管理システムを構築することができます。

専門のコンサルタントが企業の課題や導入中の生産管理システムの改善点をヒアリングし、それをもとにカスタマイズされます。そのため、中堅〜大企業を中心に他の生産管理プラットフォームを導入している企業が、より使いやすく自社に最適化されたシステムを目指して開発・導入するケースが大半を占めています。今後、初めて生産管理ツールを導入する企業への支援も拡充していくとのことです。

既存のサービスでは対応できない固有の業務を抱えている場合や、より精度が高く自社に最適化された生産管理システムを求める企業におすすめです。但し、導入には一定程度のまとまった資金が必要です。

最後に

今回は[名古屋]Factory Innovation Week2024を取材し、生産管理にアプローチした5つのサービスをご紹介しました。1つの企業課題をとってみても、様々な製品がそれぞれのコンセプト・アプローチのもとに提供されています。自社の課題感や目指す将来像、企業文化など多くの観点を踏まえ、どのサービスを選択するかを検討していくと良いでしょう。

今後も工場経営ニュースでは、展示会やイベントへの取材を通して製造業の皆様にお役に立つような情報を発信していきます。工場経営ニュースが、皆様の求めるサービスと出会えるきっかけになりますと幸いです。

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