2024年7月24日(水)から26日(金)までの期間、東京ビッグサイトにて『TECHNO-FRONTIER 2024』が開催されました。モータ技術やソフトウェアの要素技術など、22の専門展示会から構成され、アジア最大級の展示会となっています。リアル展には453社が出展し、累計36,630名が参加しました。本記事では、この展示会に参加した様子や編集部が注目した8つの企業について、前後編2回に分けてレポートします。 前編はこちら。
TECHNO-FRONTIER とは
名称 | TECHNO-FRONTIER 2024 |
会期 | リアル展示会: 2024年7月24日(水)~26日(金)10:00~17:00 オンライン展示会: 2024年8月1日(木)10:00~30日(金)17:00 |
会場 | リアル展示会: 東京ビッグサイト 東展示棟1・2・3ホール |
主催 | 一般社団法人日本能率協会 |
参加者数 | 3日間総計 36,630名 |
会場の様子
自社のノウハウを活かして工場の最適化を一括サポート|SHARP株式会社
家電製品からITソリューションまで幅広く手掛けるシャープ株式会社は、「デジタルでつなぐ、物流の未来」をテーマに工場内物流の最適化を支援する取り組みを展示しました。「自動倉庫ソリューション」の1つであるAGV(工場内自動搬送用ロボット)や、作業者のピッキング業務を支援する「ピッキングソリューション」など、自動化・省人化につながる展示がありました。
特に同社の工場内物流設計コンサルティングサービスは、同社がモノづくり企業として長年培った生産工程の自動化や省人化ノウハウを活かし、効率的な工場内物流設計を、実現を現状分析から実際の導入・保守までを包括的に支援しています。工場の新設だけでなく、既存の環境で自動化ソリューションを用いた業務改善もサポートしています。また、独自のシミュレーターにより、工場のレイアウトや面積などから自動化ソリューションの導入効果を高精度にシミュレーションすることで、より効果の大きい導入支援を提供しています。
スマートウォッチで従業員を熱中症から守る|大興電子株式会社
ICTシステムの企画コンサルティング・提案からシステム設計、構築、運用・保守などを手がかける大興電子株式会社からは、自律分散型ネットワークで現場の安全管理・業務支援に貢献するスマートウォッチソリューション「Safe-W」が展示されていました。
「Safe-W」は、利用者自身の日々の状態(暑さ、バイタル、運動量)を可視化できるスマートウォッチです。同社の「全ての働く人々に安心安全に働ける環境を提供するための概念 “IoW(Internet of Workers)”」をベースに、ミライアプリ株式会社と共同開発されました。電波のない環境でも利用者相互に健康状態を見守り、万が一の際には近くのユーザーへ通知が届くほか、クラウド環境を活用することで管理者が遠隔地から見守ることも可能であり、労働者の安全対策に貢献しています。
「無停電装置」で継続的な給電を実現する|山洋電機株式会社
冷却ファンやサーボモーター、ステッピングモーターなどを開発・販売する山洋電気株式会社からは、「SANUPS パワーシステム」の1つである無停電装置(UPS)をご紹介します。無停電装置とは、予期せぬ停電や異常が発生した際に、電源を供給する機器に対して一定時間電力を供給し続けることで、機器の運用を停止させないようにする装置です。災害対策の1つとして、万が一の停電時に停止させたくない機器を無停電装置に接続し、非常用発電機が稼働するまでの時間を確保することで生産性の維持につなげています。
無停電装置で電力供給を補える時間は数分〜数十分が一般的であり、バッテリー容量が大きくなる(電力供給量が多くなる)につれて価格も高価になります。そのため、生産ライン全体の中で、最も重要な機器に導入する場合が多くなっています。
“XC-Gate”でExcelデータを電子帳票へ|株式会社テクノツリー
システム開発事業やマルチメディア事業を手掛ける株式会社テクノツリーでは、現場帳票電子化ソリューション「XC-Gate」が展示されていました。「XC-Gate」は、Excel帳票を入力しやすいWEB画面に変換し、現場で直接入力・登録できるサービスです。今まで紙で使用していた帳票を、そのままのイメージで電子化し、ペーパーレスを実現することができます。
「XC-Gate」に電子帳票を通じて登録したデータは、すぐにデータベース化され欲しいデータを検索できるようになります。さらに月報や管理表などのデータ集計等に活用することが可能です。
大手企業〜中小企業まで様々な製造業で導入されており、ペーパーレス化を目指すExcel利用企業にとって比較的ハードルの低いサービスとなっています。
最後に
本記事では、TECHNO-FRONTIER 2024では様々な企業様を取材させていただき、その中で特に編集部が気になった企業・製品をご紹介しました。今回ご紹介させていただいた企業以外にも、企業のDXを推進する製品や労働者の安全性を支える製品が多数展示されていました。特に労働者の安全を支えるサービスの展示が増えてきていることから、業界での関心の高まりが伺えました。
今後も工場経営ニュースでは、展示会やイベントへの取材を通して製造業の皆様にお役に立つような情報を発信していきます。工場経営ニュースが、皆様の求めるサービスと出会えるきっかけになりますと幸いです。